令和7年一般会計・特別会計決算特別委員会 本文 2025-10-20

【小木曽史人委員】
 私からは決算に関する報告書363ページ、スポーツ振興費、スポーツ振興事業費のあいちスポーツイノベーションプロジェクト推進事業費について順次伺っていきたいと思う。
 スポーツは個人の健康増進や体力保持、精神の充実や達成感などのフィジカル・メンタル面への効果はもとより、今ではコミュニティーや社会における絆づくりなど多面的な価値があるとされ、全国各地で地域ぐるみのスポーツ推進の取組が加速している。そんな中でも、愛知県では産学官等の連携により、スポーツ分野のイノベーション、つまり、革新的な事業や新サービスを創出する、これがあいちスポーツイノベーションプロジェクトだと承知している。
 このプロジェクトは、経済産業局の革新事業創造提案プラットフォーム、A-IDEAに株式会社中日新聞社から事業提案され、令和5年3月に革新事業として採択。産学官でコンソーシアムを組成。昨年、令和6年6月、あいちスポーツイノベーションコンソーシアムAiSIAが設立されている。令和6年度当初予算では、あいちスポーツイノベーションプロジェクト推進事業費として7,900万円が新規に計上されて、先ほど述べたコンソーシアムAiSIAを組成し、新たなビジネスチャンスの創出、スポーツの成長産業化、スポーツの地域活性化に向けた取組を推進することを事業内容に掲げていたと承知している。
 そこで、まずはこのAiSIA、3か年の取組と聞いているが、その1年目の令和6年度は具体的にはどのような取組が行われ、どのような成果が得られたのか伺う。

【スポーツ振興課担当課長(調整・スポーツイノベーション推進)】
 あいちスポーツイノベーションプロジェクトでは、スポーツ産業をささえる人材の育成、アスリート・スポーツチームの価値向上、スポーツと他産業の融合という三つの柱を掲げて事業を推進している。
 令和6年度の具体的な取組について説明する。
 まず、一つ目のスポーツ産業をささえる人材の育成の取組としては、スポーツマネジメントやスポーツ産業の高度化を担う人材の育成を目指して、大学生を対象に全5回のスポーツビジネス人材育成講座を開催した。
 次に、二つ目のアスリート・スポーツチームの価値向上の取組としては、スポーツチーム共通の課題である集客力の向上に向けて、新しい事業、サービスの創出のための実証を支援した。具体的には、13のスポーツチームの協力を得て、スタートアップ等から提案してもらった24件の中から、在住外国人の試合観戦の促進、観戦者のコメント分析を通じたリピート観戦促進の二件を採択し、試合会場において実証実験を行った。
 さらに、三つ目のスポーツと他産業の融合の取組としては、スポーツと他の産業の共創によって、地域課題の解決を目指すモデル事業として、プロフットサルチームの名古屋オーシャンズと連携して、健康維持や介護予防を目的としたウェルネスプログラムの実証実験を五つの市町の協力を得ながら行った。
 また、プロジェクト全体の推進母体として、あいちスポーツイノベーションコンソーシアムAiSIAを昨年6月に設立した。当初は75団体で発足したが、会員はその後も増え続け、現在108団体に参画してもらっている。あいちスポーツイノベーションプロジェクトでは、AiSIA会員間の交流事業やセミナーの開催、情報発信も随時行っており、こうしたネットワークの活用や実証実験の機会を通じて、スポーツ分野におけるオープンイノベーションが生まれる土壌を育成することができた。

【小木曽史人委員】
 1年間でオープンイノベーションを推進できる土台を醸成できたということであった。
 ただ、当初予算の7,900万円に比べて、決算額をみると約半分、3,900万円となっているのは、当初期待していたデジタル田園都市国家構想交付金が得られなかったと聞いているが、どういった理由と考えられるのか。また、事業費が想定より少なくなった結果、先ほど、いろいろ事業を行ったと聞いたが、当初予定していた事業内容に生まれた変化点、当初予定していた事業を削った、事業として少しシュリンクしたなどといったことはないのか伺う。

【スポーツ振興課担当課長(調整・スポーツイノベーション推進)】
 本プロジェクトは、令和6年度の内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金を申請したが、審査の結果不採択となり、当初予算の2分の1の予算規模となった。この交付金では、デジタル技術の活用を強く打ち出す内容が求められたが、本プロジェクトにおいては、実際の取組内容はスタートアップ等からの提案を基に選定し、決定するという手順となるので、前年度、令和6年1月の交付金の申請時点では、デジタル技術を活用した取組を具体的に提示することができなかったという点が一因ではないかと考えている。
 また、主な変更点としては、人材育成講座の回数を2期、計10回予定のところを、1期、計5回に縮減したこと、集客力向上に向けた実証支援の支援金の総額を500万円に、地域課題の解決を目指すモデル事業の総額を300万円にと、それぞれ当初予定の半分としたこと、また、コンソーシアムの運営等の経費を縮減したことが挙げられる。
 一方で、経済産業局との共同事業として、フランスのスタートアップ支援組織、Paris&Coと連携して、コンソーシアムの会員を対象としたセミナーを開催する、本プロジェクトの共同事業者である株式会社中日新聞社によるスポーツテックコンテンツを活用したイベントを商業施設で実施するなど、限られた予算の中で事業の充実を図りながら、三つの柱に基づく事業をしっかりと実施した。

【小木曽史人委員】
 若干事業を規模縮小したとはいえ、いろいろ工夫を凝らしていろんなところの協力を得ながら進めていると理解した。
 先ほど三つの柱を推進するとしていて、人材の育成、それからアスリート・スポーツチームの価値の向上、スポーツと他産業の融合と、この3本柱だが、事業を推進するに当たっては、いわゆる目標値、いわゆる評価指標の設定をして、都度進捗管理、事業評価を行っていくというのがセオリーだと思うが、このAiSIAの評価指標の考え方、事業評価はどのように行っているのか伺う。

【スポーツ振興課担当課長(調整・スポーツイノベーション推進)】
 三つの柱に基づく具体的な事業については、各年度公募により決定している。このため、事業決定後に各事業の関係者間での打合せを行う中で、当該年度の目標値等をそれぞれ設定した上で事業を進め、評価を行っている。
 一例を挙げさせてもらうと、昨年度実施したウェルネスプログラムでは、参加者数の目標75人としていたところを106人に参加してもらった。また、一般的にこのような健康づくりのプログラムは参加者の多くが女性であるケースが多く、10パーセント程度といわれる男性の参加率を一層高めることを目標としていたが、かっこいい、おしゃれといったスポーツチームのブランドイメージをアピールすることで、男性の参加率を30パーセントまで高めることができた。

【小木曽史人委員】
 続いてAiSIAの取組について、スポーツ分野のイノベーションの創出を目指していることから、先ほど答弁にもあったが、スタートアップといろいろやっていることで親和性が非常に高いのではないかと私も思っている。
 そこで、STATION Aiを中核とするスタートアップとの融合という意味合いで、事業としての取組にはどのようなものがあるのか聞かせてほしい。

【スポーツ振興課担当課長(調整・スポーツイノベーション推進)】
 本プロジェクトは、経済産業局が策定した革新事業創造戦略に位置づけられる事業であることから、STATION Aiとも連携しながら進めている。  例えば、実証実験の提案募集やセミナー開催などの告知に当たっては、STATION Aiの入居企業にも情報提供を行っている。また、セミナー等の会場にもSTATION Aiを積極的に活用しており、入居企業が参加しやすいよう工夫している。さらに今年度はスポーツビジネスの専門家を招聘して、入居企業等を対象としてスポーツビジネスに関する相談対応などを行う機会、オフィスアワーをSTATION Aiにおいて定期的に開催している。
 これらの取組を通じて、スタートアップのスポーツビジネスへの関心を高める、スポーツチームとのマッチングを図るなど、新たなサービス創出のきっかけにしたい。

【小木曽史人委員】
 スタートアップとしっかり連携し、STATION Aiをきちんと活用してもらっているということであった。
 先ほど言ったとおり、AiSIA、3か年の計画で、来年度が最終年度になる。これからどのような取組を進めて、どのような成果を得て、さらなる愛知県のスポーツイノベーションの創出を図っていくつもりなのか。特に来年度はアジア・アジアパラ競技大会のような国際大会に事業中の取組、先ほど実証実験とか様々聞かせてもらったが、それを実際に活用していくようなことは検討しているのかを含めて伺う。

【スポーツ振興課担当課長(調整・スポーツイノベーション推進)】
 あいちスポーツイノベーションプロジェクトの最終年度となる令和8年度は、三つの柱に沿った事業の実施に加えて、事業の総括を行い、3年間のプロジェクトの成果を県内外に向けて発信していく予定である。特にアジア・アジアパラ競技大会期間中には、文化プログラムの一環として、報道関係者等へ向けてプロジェクトの成果を発信することを検討しており、今後のスポーツイノベーションの継続と発展につながるきっかけとしていきたい。
 また、コンソーシアム等を通じた人的ネットワークが今後も有効に活用され、自律的、継続的にイノベーションが生まれるような仕組みが本県において定着することを目指していく。
 なお、本プロジェクトで実証した取組のアジア・アジアパラ競技大会での活用については、大会スポンサー等に配慮する必要があることから、大会組織委員会と調整していきたい。  また、今後の大規模スポーツ大会やスポーツ興行などにおいて、実証支援した取組が実装されることを引き続き目指していく。

【小木曽史人委員】
 最後に要望させてもらう。  先ほど実証実験、今取り組んでいること、たくさんあるということであったが、実装できるようにしっかり取り組んでもらいたいと思う。スポーツは今や世界的にも全国的にも一大成長産業、ビジネスモデルとしての変化をしつつある。愛知県にはプロスポーツチーム、実業団スポーツチームが多数存在しており、アジア・アジアパラ競技大会を契機に、IGアリーナをはじめ、いろんなスポーツが楽しめる場所が各地で整備されている。スポーツを通じた地域活性化を推進する土台があり、非常に高いポテンシャルを愛知県は持っていると思っている。イノベーションとの融合で、これまで以上に誰もがスポーツにアクセスしやすい環境を進めることができると考える。先ほど質問でも触れたが、事業評価をしっかりしつつ、アジア・アジアパラ競技大会、その先を見据えた取組を推進、検討してもらうことを要望して質問を終わる。

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