令和7年一般会計・特別会計決算特別委員会 本文 2025-11-13

【小木曽史人委員】
 私からは大きく二点、質問する。
 まず、一つ目だが、決算に関する報告書の315ページ、警察活動費、交通指導取締費のうち、可搬式速度違反自動取締装置、以下、可搬式オービスというが、これについて伺う。
 交通事故防止対策の推進には、広報活動のほか、交通事故に直結する車両運転中のながらスマホ行為や速度超過違反などの取締りを強化して、ドライバーの安全運転意識の向上を図ることが重要である。
 中でも、速度超過、いわゆるスピード違反は、事故を回避するための危険認知・判断など運転操作に影響を与え、被害が大きくなり、交通死亡事故につながる可能性が高くなることから、自動車の速度抑制を図る取組は極めて重要である。
 速度超過の取締りのため、県内各地で運用されているのが、先ほど言った可搬式オービスである。文字どおり、持ち運びができるタイプの速度取締装置であり、機動性が高く、取締り地点を頻繁に変えることで、ドライバーにとって大体ここで取締りが行われているという予測が難しく、また、可搬式で、学校や住宅街などの生活道路での自動車のスピード抑止効果が高いとして令和元年に導入されたと承知している。
 そこで、現在、11台を配備して運用していると聞いているが、その取締り場所の選定方法も踏まえた運用方法と運用実績について、経年変化も含めて伺う。

【交通指導課長】
 可搬式速度違反自動取締装置の取締場所の選定や運用方法及び運用実績について答える。
 まず、取締場所の選定とそれを踏まえた運用方法についてであるが、可搬式速度違反自動取締装置は、交通指導課に3台、八つの警察署に各1台を配備し、その周辺警察署に対しても貸出しを行っており、各警察署の交通事故の発生実態等に応じて取締りの路線等を選定している。
 また、設置場所に縛られることなく、通学路をはじめとする生活道路等において幅広く運用している。
 次に、運用実績についてであるが、令和元年中が1,576回、令和2年中が1,833回、令和3年中が1,242回、令和4年中が1,758回、令和5年中が1,314回、令和6年中が984回の取締りを実施している。

【小木曽史人委員】
 先ほど令和5年中が1,314回で、令和6年中が984回で、実績が約330回減少しているが、その要因は何か伺う。

【交通指導課長】
 令和6年の実績減少の要因について答える。
 過去、可搬式速度違反自動取締装置は、第一交通機動隊、それから第二交通機動隊及び高速道路交通警察隊において運用していたが、令和6年度の組織改正によって、交通指導課に速度抑制係を新設して、同係において運用を集約するとともに、警察署への配備数を増やして、輪番制の運用を開始した。その結果、機器の取扱いに不慣れな警察署員に対して、操作要領や撮影された写真から違反者を検挙するまでの手続などについて、指導教養の必要が生じたことから、一時的に実績が低下したと考えている。
 本年は指導教養も進み、9月末現在で1,080回の取締りを実施しており、実績も増加しているので、引き続き、効果的な運用に努めていく。

【小木曽史人委員】
 一部運用を変え、輪番制を運用したことから減ったということである。今年に入って回数も増やしていると理解した。
 運用見直しを実施したということだが、その効果と評価、課題、今後の運用方法について教えてほしい。

【交通指導課長】
 まず、可搬式速度違反自動取締装置の運用の見直しによる効果及び評価について答える。
 管内の交通実態等を把握した警察署員が可搬式速度違反自動取締装置を運用することによって、取締場所の選定や機器の設置を迅速、的確に行うことができるほか、交通実態に即した取締りを行うことによって、真に交通事故抑止に資する運用が従来にも増して行われるようになり、交通事故死者数の減少にも一定の効果が出ている。
 次に、運用の見直しをしたことによる課題と今後の運用方法について答える。
 課題としては、一つには、人事異動によって機器取扱いの未経験者が取締りに従事することとなった場合に、一定期間、教養の時間と場所が必要になることが挙げられる。
 また、11台ある機器の中には、経年劣化によってバッテリーの劣化や修理部品の製造終了などによって、同機器でなければ取締りができない場所において必要な速度取締りが実施できず、県内の交通事故情勢にも影響を及ぼしかねないことが懸念されている。
 したがって、県民の命を交通事故から守るために、新たな配備を検討するほか、有用で高価な機器は、引き続き丁寧に取り扱って、適切な運用に努めていく。
 今後においても、引き続き、現在の運用を継続することで交通事故抑止に努めていく。

【小木曽史人委員】
 非常に大事な取組であるし、新たな配備という言及もあったが、老朽化が進んでいる装置もしっかり更新や定期的なメンテナンスをしてもらいたいと思っている。
 この可搬式オービスによる取締場所を、県警察のホームページや県警察エックスなどで公表していると承知しているが、その効果と評価をどう考えているのか伺う。

【交通指導課長】
 可搬式速度違反自動取締装置による取締りや事前の公表は、交通事故を抑止することを目的として行っている。ホームページやエックスなどSNSを利用して取締場所を公表することで、警察が不定期、不特定の場所で速度違反の取締りを実施していることが広く周知されれば、ドライバーの交通法規遵守への意識を醸成することが期待できるのではないかと考えている。

【小木曽史人委員】
 可搬式のほかに、いわゆる定置式のレーダー装置というものがあるが、これは違反車両を停止する場所や警察車両を置く場所で、かなりやる場所が限定されると聞いている。この可搬式オービスは、非常に機動性が高いので、先ほどあった通学路や生活道路を中心にして取締りをやってもらいたいと思うし、夜間の取締りも恐らくできるのではないかと思っているので、そちらについても引き続き、重点的に取締りを行ってもらいたい。
 続いて、二つ目であるが、決算に関する報告書の315ページ、警察活動費、警察活動事業費のうち、3番、街頭犯罪対策費の中の、まちの防犯診断とトライアルカメラの設置について伺う。
 この事業は、令和3年度からの事業だと承知しているが、地域の防犯環境の改善や自主防犯活動を強化して、地域防犯力を高める取組の一つである。
 まちの防犯診断は、警察、専門家、この専門家というのは防犯設備士だと思うが、この専門家と地域住民が一緒に地域を歩き、暗がりや死角など犯罪が起こりやすい場所を調べて、その結果を基に防犯灯の設置や樹木の剪定など安全対策を進める取組である。
 トライアルカメラは、まちの防犯診断で見つかった危険箇所に試験的に防犯カメラを設置し、その効果を地域の人に実感してもらうもので、防犯カメラの有効性や設置の必要性を地域の人にまず実感してもらう、地域の防犯意識を高めるという効果が期待できるものと認識している。
 そこで、令和6年度におけるまちの防犯診断とトライアルカメラの設置の実績と評価、効果測定の結果、トライアルカメラ設置後の自主的な防犯カメラ設置状況も含めて伺う。

【生活安全総務課長】
 令和6年度におけるまちの防犯診断とトライアルカメラの設置の実績と評価について答える。
 まちの防犯診断については、中部空港警察署を除く44警察署、44地区において実施した。
 また、トライアルカメラについては、犯罪情勢や地域住民の要望等を踏まえ、まちの防犯診断を実施した地区から30地区を選定し、それぞれの地区において4か月間、10台ずつ設置して運用した。
 まちの防犯診断を実施した効果については、通学路を人通りの多い安全な道路へ見直したり、新たに自主防犯パトロール隊を設置したりするなど、地域住民の防犯意識の向上が認められた地域があった。
 また、トライアルカメラ設置期間中において、設置地区と県内全域の刑法犯認知件数を比較すると、防犯カメラの設置と地域住民の防犯意識の向上との相乗効果がその原因と思料するが、県内全域では同水準であったのに対し、設置地区では約10パーセント減少したという結果が出ている。
 さらに、トライアルカメラ設置を体験した地域住民からは、防犯カメラがあると安心が実感できる、地域において独自に防犯カメラを設置したいとの声が聞かれ、実際に16地区において、トライアルカメラの運用終了後に防犯カメラが設置されるなど、設置促進の効果が認められたと考えている。

【小木曽史人委員】
 犯罪の抑止という意味では、住民意識の向上という意味でも非常に効果があったと理解できた。
 このトライアルカメラの設置は、まちの防犯診断実施が前提となると理解しているが、まちの防犯診断の実施箇所の選定はどのように行っているのか伺う。

【生活安全総務課長】
 まちの防犯診断の実施箇所の選定について答える。
 まちの防犯診断に当たっては、犯罪情勢、自主防犯活動の取組状況、地域内の防犯カメラの設置状況、自治会の要望等を総合的に勘案して実施箇所を選定している。
 なお、トライアルカメラの設置箇所については、まちの防犯診断を通じて把握した危険箇所を中心に選定し、地域住民の賛同を得た上で設置する。

【小木曽史人委員】
 自治会の要望等も踏まえながらという話であるが、私もいろいろなところに話を聞くと、この制度があることをあまりよく知られていないと感じる。一度、新聞記事には最近出たという気はしているが、例えば、私の地元のあま市だと、今年に入って、市内の住宅の侵入盗は昨年の前年同月比、1月から9月のデータだが、約2.5倍になっている。あと、自動車盗、オートバイや自転車盗も含むが、こちらも1.5倍に増えているので、地域からも、その地域のいわゆる防犯対策をどう取っていいのかと相談に来るケースが非常に今、増えていると実感している。
 刑法犯認知件数も4万2,220件となっていて、前年同期比で約12パーセント増えている。先ほど言った侵入盗、住宅侵入盗、事務所の出店荒らし、これが2,727件と、前年同期比で約34パーセント、県内でも増えているので、地域に身近な犯罪が非常に増加している状況の中だが、この県警察の行うまちの防犯診断とトライアルカメラの設置事業は、先ほど言ったように、あまり知られていないので、こういうことがあると広報啓発すれば、ニーズと、警察側としてもこのようなところがそうした意識を持っているというニーズマッチングにもなるのではないかと思っている。
 そこで、そのニーズにしっかり対応できるような取組を進める必要があると考えるが、広報などの在り方も含めて、今後の取組について伺う。

【生活安全総務課長】
 まちの防犯診断及びトライアルカメラの設置の今後の取組方針について答える。
 県警察としては、本取組を効果的に実施することにより、警察、自治体及び地域住民の連携強化が図られ、地域防犯力の向上につながるものと考えている。
 今後の取組方針としては、引き続き、関係機関・団体と連携して、まちの防犯診断を実施し、防犯対策が必要な箇所の把握等に努めるとともに、トライアルカメラをより多くの地区で体験してもらえるよう、運用地域を拡大していきたい。
 そこで、今後は、本取組の実施に当たり、小木曽史人委員が示すように、地域住民の要望に応えることができるよう、県警察ホームページやSNSなどを活用して、地域住民への周知を図り、防犯意識の向上を促すことにより、より多くの地区の地域防犯力の向上に努めていく。

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