令和8年2月定例会(第10号) 本文 2026-03-25
◯二十番(小木曽史人君)
警察委員会に付託されました議案は、第一号議案令和八年度愛知県一般会計予算外一件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第一号議案及び第二十九号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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◯二十番(小木曽史人君)
あいち民主県議団の小木曽史人です。
私は、あいち民主県議団を代表し、ただいま議題となっております第一号議案令和八年度愛知県一般会計予算に対して、賛成の立場から討論を行ってまいります。
近年、我が国を取り巻く国際情勢は非常に不安定な状況が続いており、特に最近の中東情勢は、世界全体の地政学的リスクを増大させながら、私たちの安定した暮らしの基盤となる国際平和に脅威を与えるとともに、原油等資源の価格高騰に拍車をかけるなど、我が国にも今後ますます深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、人々が安心して日常生活を送るためには、異常気象による豪雨災害や地震などの自然災害に備えながら、産業界では脱炭素や新産業創出への取組を加速させ、深刻な人手不足の解消や物価上昇を上回る賃金上昇の実現に向けた取組も必要です。
こうした中、本県では、日本を引っ張っていくにふさわしい大型プロジェクトの多くが形となり、これからはそれらを存分に生かした県政運営が求められております。そうした本県の状況を鑑み、当初予算の編成に向けて、私たちあいち民主県議団は、各種調査研究活動を通じて、令和八年度施策及び当初予算に対する提言を取りまとめ、本年一月に大村知事に提出をいたしました。
この場では、その中から特に重点的に取り組むべきと考える五項目に絞り、今回提案されております当初予算案に対する評価を述べさせていただきます。
まずは、若者が明るい未来を描くことができる政策の実現についてです。
我が団は、今年度、ヤングビジョン@Aichi研究会を立ち上げ、部局それぞれに取り組むZ世代、アルファ世代をはじめとする現役・若者世代にターゲットを当てた支援策を結婚、子育て、教育、住まい、就職、挑戦といった層別に見える化し、将来に不安を抱く現役・若者世代に光を当てる具体的施策について検討を重ね、少々とがった要望も含めて知事へ提言をいたしました。
今回の予算案を見ますと、中小企業奨学金返還支援事業費について一部制度見直しが実施され、義務教育段階でのキャリア教育の推進、工科高校や農業高校などの施設設備の充実を含めた人材育成など、我が団の求めた内容が盛り込まれた点は評価いたしております。
ただ、少子化や人口減少が加速する中、現役・若者世代一人一人が希望を持ち、挑戦し続けることができる日本一元気なまち愛知を実現するには、さらなる取組の強化が必要であると思いますので、ライフステージの各段階で切れ目なく支援する施策をかつてない規模で大胆に実行していただきたいと思います。
加えて、県民が県の取組を知ることが重要ですので、支援策の部局横断的な見える化コンテンツをホームページやSNS等で発信し、積極的な活用を促していただくことを要望いたします。
二番目は、大規模自然災害に対する防災対策及び愛知県地域強靱化計画の着実な推進についてです。
本県は、海抜ゼロメートル地帯にも人口や産業が集積しており、地盤条件により危険性が大きく異なる液状化現象発生時には、人命だけでなく、産業面、サプライチェーン全体への深刻な影響が懸念をされます。記憶に新しい一昨年の能登半島地震をはじめとした大規模地震や頻発するゲリラ豪雨等の風水害は、私たちに平時の備えに対する多くの教訓を残しており、その教訓を踏まえつつ、ハード、ソフト両面から着実に取り組むことが大変重要です。
今回の予算案を見ますと、ハード面では、これまでの道路、河川、海岸、砂防、港湾、下水道など各種インフラの整備や既存施設の長寿命化及び耐震化、広域防災活動拠点の整備に加えて、携帯電話基地局の強靱化や、道路陥没事故を防ぐための路面下空洞調査の実施など、ハード面の機能の維持、強化が図られております。
ソフト面でも、いわゆるスフィア基準に対応した避難生活環境整備モデル事業、住宅の耐震診断補助制度の対象拡大などの予算が計上され、評価できるものとなっております。
昨年三月、国は南海トラフ地震の新被害想定を公表しましたが、本県では、本年六月頃に独自の南海トラフ地震の被害予測調査結果を公表すると伺っております。調査結果を踏まえ、災害から県民の生命と財産を守るために何をすべきか、その対策を明らかにしていただき、場所の支援から人の支援への転換、県民の防災意識の醸成、災害中間支援組織あいち広域ボランティア・NPO支援本部の平時の活動支援、各種訓練の充実強化など、ソフト対策が県全域に波及、定着するよう努めていただくことを要望いたします。
三番目は、Aichi─Startup戦略及び革新事業創造戦略の推進についてです。
STATION Aiでは、現在スタートアップ約六百八十社、パートナー企業約三百六十社が集積し、千八百件を超えるピッチイベントや連携イベントが行われ、また、スタートアップ二百四十八社が七百八十三億円の資金調達を実現するなど、イノベーション創出の土壌が着実に形成されつつあります。今後は、県下全域へのスタートアップ・エコシステムの展開を波及させるとともに、具体的な成功事例という成果を創出していくフェーズを意識した取組が大変重要となります。
今回の予算案では、STATION Aiプロジェクトでの各種スタートアップ支援プログラムの充実を図ることに加え、スタートアップ支援に取り組む自治体や関係機関を支援する統括マネジャーを配置するほか、県及び県内市町村によるスタートアップ製品等の公共調達を支援するとしています。
また、基金を活用した事業者向け社会課題解決型のビジネスのセミナーやワークショップの開催、STATION Aiに設置したA─IDEA事務局への社会実装に向けた伴走支援を実施する専門人材の配置など、革新事業創造戦略に基づくソーシャルイノベーション創出の取組を拡充する予算も盛り込まれ、高く評価をいたします。
本県産業の成長を拡大させるイノベーションエコシステム形成の取組を社会変化のスピードに遅れを取ることなく県下全域に広げるため、市町村との連携をさらに強化しながら、愛知発のイノベーションプロジェクトを含めた官民連携事業を進化させ、実証フィールドを拡大し、社会実装を加速していただくことを要望いたします。
四番目は、教育の質の向上のための支援についてです。
本県の公教育を取り巻く環境は、教員不足の深刻化、児童生徒の多様化、ICT教育への対応のほか、いじめや不登校、発達障害、外国人児童生徒への支援など、現場対応が複雑化しており、教員の負担が増大する一方で、児童生徒の心のサポート体制の充実も喫緊の課題です。
こうした中、今回の予算案では、スクールカウンセラーや養護教諭の配置拡充、校内フリースクールの支援員配置に係る補助対象を小学校へ拡大、さらに、県全体の不登校支援拠点となる教育支援センターの設置など、子供たちの教育相談体制、不登校児童生徒の支援体制の充実を図る予算が盛り込まれ、大変評価をしております。
そして、この四月には、不登校経験のある生徒が自分のペースで学ぶことができる、日進高等学校附属中学校が学びの多様化学校として開校いたします。多様な背景を持つ生徒一人一人に応じた支援体制はもちろん、専門職との連携、柔軟な教育課程の運用、安心して通える環境づくりなど、きめ細かな体制を整えていただくよう要望をいたします。
最後は、アジア・アジアパラ競技大会の成功に向けてです。
くしくも世界平和を揺るがす中東情勢の見通しが不透明なタイミングで準備が進められ、開催を迎えることになるアジア・アジアパラ競技大会。平和と多様性の尊重を共有するスポーツの祭典がどのようなメッセージを発信するのか、世界が注目をしています。開催まで残り六か月足らず、愛知県の魅力を国内外に発信し、観光振興を加速させる絶好の機会と捉え、ホスピタリティー、いわゆるおもてなしの精神を地域全体で共有しつつ、これからはいかに開催機運の醸成を図るかが非常に重要です。
今回の予算案には、運営計画に基づく競技、宿泊、輸送等に係る業務、競技会場等の仮設整備、警備、道路環境の整備、関連施設のバリアフリー化、さらには、車椅子使用者等のアクセシビリティーに配慮が必要な観客を対象とするタクシー車両等を用いた輸送サービス、アクセシブルシャトルの導入経費などが計上されております。
また、SNS等による大会情報の積極的な発信、大会百日前イベントの実施など、地域の活性化やスポーツ、文化の普及にもつながる開催機運の醸成のための取組や、市町村と連携したアジア各国、地域との交流を深めるフレンドシップ事業、大会を契機とした愛知の伝統工芸品や発酵食文化などのPR強化の予算が盛り込まれ、評価できるものとなっております。
ただ、近年の資材価格高騰や人手不足などの影響から、本大会に係る経費が膨らんでおりますので、鋭意経費削減には努めていただきたいと思いますし、併せて大会後の持続的なスポーツ振興、地域経済や観光振興にも波及するレガシーの創出も見据えて取組を進め、閉会後は速やかに多角的な事業の分析評価を行っていただくよう要望をいたします。
以上、当初予算案のうち、我が団の提言から特に重要な五項目を取り上げ、その評価を述べてまいりましたが、県民、地域の声を基に知事に提言いたしましたその他要望項目につきましても、予算措置の状況からおおむね評価できるものと考えております。
第一号議案に対する討論の締めくくりに当たり、県立高校の教育環境整備について一言申し上げます。
愛知県の高校教育は、公立高校と私立高校が互いに切磋琢磨する、いずれも欠かすことのできない公私両輪で生徒の多様な学びと県全体の教育力を支えています。
今回の予算案では、私立では、入学納付金の実質無償化、経常費の補助単価の引上げや施設整備補助の充実、公立では、学びの土台となる環境整備として、昨年度から計画的に実施している体育館や武道場への空調設置に加えて、特別教室等への空調設置、トイレの洋式化や防犯カメラの設置などの予算が盛り込まれたことは高く評価したいと思います。
しかしながら、今年の公立高校の入試では、過去最多の三千人を超える欠員が生じ、今後中学校卒業者数が急減していくことも踏まえると、県立高校の中身、教育の質をさらに魅力あるものにしていくことは、県全体の教育基盤を支える意味でも大変重要であると考えます。
文科省は、先月、二〇四〇年頃の社会を見据え、新しい高校像を示したグランドデザインを公表、それを踏まえ、本県でも県立高校等を対象とした実行計画を策定予定と聞いております。ぜひ自主、自律を育む多様な生き方を応援する、ものづくり愛知にふさわしい、世界に羽ばたく人材育成を柱としたソフト、ハード双方の教育環境の着実な整備を計画に落とし込んでいただくよう要望をいたします。
さて、本県の財政運営は、実質収入ベースの一般財源は大きく増加するものの、アジア・アジアパラ競技大会の開催に必要な経費を計上するほか、人件費、扶助費等の義務的経費の増加などにより、今回も二千六百十二億円の収支不足が見込まれる中での予算編成でありました。
我々あいち民主県議団といたしましては、ガソリン税及び軽油引取税の暫定税率の廃止など、国の大きな政策転換に対応しつつ、バランスよく必要な予算を適切に計上されたことにつきましては高く評価し、大村知事におかれましては、日本一元気な愛知、全ての人が輝く愛知、日本一住みやすい愛知、そして進化する愛知の実現に向けて、大いに邁進していただくことを期待するところであります。
以上、第一号議案令和八年度愛知県一般会計予算につきまして、賛成の理由を述べてまいりました。皆様方の満場の御賛同をいただきますようお願いし、私の賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。
